"船の主砲は前後に付いていますから、横方向に打つのが一番強力なんです。副砲も、左右に分けて搭載していますが、正面や後方に撃つよりも左右に撃つ方が数は多いの強力なのです。ですから、同航戦の反航戦のというこ..."

“船の主砲は前後に付いていますから、横方向に打つのが一番強力なんです。副砲も、左右に分けて搭載していますが、正面や後方に撃つよりも左右に撃つ方が数は多いの強力なのです。

ですから、同航戦の反航戦のということになるのですが、逆に敵の正面か後方に対してこちらが側面を向ければ、より多くの大砲が撃てて有利なんです。これがT字戦法で、戦艦の古今東西の常識。パイレーチオブカリビアンでも船は横付けで攻撃してるでしょ。



で、東郷ターンなんですが、これはT字戦法を取る為のトリック戦法なんです。

①正面から反航戦状態で突入する

②タイミングよく回頭する。

このタイミングが難しい。つまり、一時的に敵に対してこちら側がT字の不利な縦棒の状態に入るのです。よく日本側はターンの間中攻撃できないとか、ロシア側は日本側が気が狂ったと思い狂喜した、というのは、つまりそういうことだからです。当然こんな好機を逃すまいとロシア側は砲撃に夢中になります。有利な体制の内に決着を付けたいからです。実はこれこそがトリック。

③ターンしたらロシア艦隊ではなくロシア艦隊の未来位置へ向かってUターンし、ロシア艦隊の進路を塞ぐ

日本艦隊は90度回頭で突っ込むのではなく、Uターンしてひたすら速度を上げます。ロシアが気が付いた時は既に遅く結果的にはいびつながら日本側が横棒のT字体制に持っていきました。最初からロシア艦隊の進路を塞ぐ軌道を取っていた日本艦隊に対して、ロシア艦隊は、一事的なT字の有利な位置に喜び、追従が遅れたのです。船ってのは舵を切っても直ぐに回れるわけではないので、あらかじめ航路を決めての回頭と、相手に合わせてあわてて回頭では、タイムラグが生じます。そのタイムラグの間に日本の高機動力でロシア艦隊の針路をふさげると計算し、見事にやってのけたのです。



簡単に言うと、敵がT字戦法になるように仕向けて、敵がそれにかまけてる間に、機動力で逆にこちらがT字戦法を仕掛ける、と言うことです。ターン中はさしずめ「必殺!幻惑の逆T字」とでも言う状況なんです。この辺チャント説明していないのが多いですね。



東郷ターンのタイミングは、このように、先に適に撃たせる、敵にとって美味しい位置関係になりながら、こちら側の被害が最小限になる距離であり、かつ敵がこちらに追従するタイムラグ中に敵艦隊の進路を塞ぐことができる距離、というひじょうに難しいタイミングになります。



で、一旦これをやっちゃったから、以後この作戦は使えません。反抗戦で不意にターンしてきたら「東郷ターンだ」となり、T字の有利を捨てて即同航戦に入ること、が鉄則になっちゃったからです。



nerve_choiceさん

>「戦法」しか念頭に無いようですな

東郷ターンは単なる戦法ではありません。大いなる戦略に基づいた戦術です。

海戦開始前までの戦略状況は確かにそのとおりですが、それ以降は「戦術」の解説がメチャクチャです。単に徹底的に叩く為の戦法(同航戦を含む)に持ち込みたいなら、あんな危険なターンは不要です。適当なところでターンして寄って行けば良いだけです。ロシアが反航戦に舵を切ったら合わせればいいだけです。

日露両国の艦隊の艦載砲の砲口径とその数からしたら、まともに同航戦した日にゃ適わないほどの差があるのです。

それゆえの「初めにT字戦法ありき」なのです。

長旅で敵兵が疲れてるのなんのと、そんな希望的観測にすがって、自ら不利な同航戦を無策のままやるほど連合艦隊はバカではありません(孫の代はそうなったが)。月月火水木金金もそのために行ったのです。

まぁ、某宇宙艦隊提督の言を借りると「戦略的不利を戦術的手段でひっくり返す」ための戦術だったのです。”



- 日露戦争で東郷平八郎がとったT字戦法,東郷ターンって何ですか。 - Yahoo!知恵袋 (via petapeta)

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