" そうです。 例えば、『限界集落(ギリギリ)温泉』っていう漫画の1巻を3万部出して、これがあんまり売れなくて。 2巻になると1万5000に減って、3巻になったら9000になって、4巻..."
“
<鈴木>
そうです。
例えば、『限界集落(ギリギリ)温泉』っていう漫画の1巻を3万部出して、これがあんまり売れなくて。
2巻になると1万5000に減って、3巻になったら9000になって、4巻が8000部ですよ。
これで打ち切りですね。チョッキンって。8000部になるともうやってらんないから。
なので、「この話は本当はもうちょっと長かったんですけど、ごめんね」っていう。4巻で終わりってことで。
<小飼>
よくある話ですね。
<鈴木>
その前に『銭』って本を出したんです。全7巻。
これは相当長いこと、ある程度安定して売れたんで7巻まで行ったんですけど。
あれを電子化しようとした時に出版社側からは「銭を電子化するのは待っといてくれない?」って言われて。
「じゃあ“ギリギリ”はいいんですか?」って言ったら、「“ギリギリ”はいいよ」って。
……向こうも『限界集落(ギリギリ)温泉』は売れないと思ったんですよ! 「このコンテンツは売れないわ」と!
他にも、似たような話はいくつかあるんですけど。
「自分で出しますよ!」って言ったら、「出してもどうせ売れないよ」って。
去年あたりの話なんですけどね。
<岡田>
えー!
<鈴木>
「電子がどれくらい売れないかって言ったら、『テルマエ・ロマエ』の電子版がどれくらい売れてるか知ってる?」って。
テルマエがバーンと売れて、単行本が400万部とか売れて、「次の単行本はいきなり100万部刷りますよ!」って言った時の電子の数字が……まあ、電子書籍の売れる数字は紙の4%ぐらいと言われてるんですけど。でも、それよりも悪くて。
これは無料とか100円で撒いてるというのもあるからなんだけど、売り上げ的には全然低いし、「あのテルマエでそんなものなんだから、全然ダメだね」ってみんな思ってたんですね。
だから、僕が「全部出しますよ?」って言ったら、「ああ、いいですよ」って。
ちょうど向こうも力が抜けてる状態で――
<小飼>
いい意味で“投げやり”だった?
<鈴木>
そうです。
そこんとこで、「僕が全部の権利を持つということでいいですよね?」って言って、「オッケー、オッケー」ということだったんで出したんですよ。
(中略)
<鈴木>
僕の場合、紙の本で出した3万部がほとんど半分くらい売れ残ってたはずなのに、電子が1万8000部も売れてるんですよ。
<小飼>
確実に売れてるわけですよね。
<岡田>
電子出版としては確実に日本で5本の指に入りますよね。
<鈴木>
そうです。
電子書籍ってAmazonが圧倒的に売ってるじゃないですか。このAmazonのランキングで、上半期の3位です。
1位が、なんとかっていう、100円のメチャメチャ売れてる本で、2位が『テルマエ・ロマエ』か『進撃の巨人』なんですよ。
つまり、進撃とテルマエに挟まれて、僕の個人出版のやつが入ってるんです。
面白かったのが、3月くらいの時、僕は6冊くらい出してたんですけど、“出版社別順位”というのが出て。
1位が“集英社”で、2位が“エンターブレイン”。で、3位“鈴木みそ”って書いてあって。
「講談社、抜いたよ!」みたいな(笑)
”
- 【レポート】鈴木みそ:出版社の言う「どうせ売れない本」がベストセラー - 岡田斗司夫なう。 (via toronei)
via Tumblr http://hitno.tumblr.com/post/64002140342 October 14, 2013 at 04:24PM