"農村出身の団塊の世代というのは、「ここでは食っていけないから、都会に出なさい。公務員か大企業に入りなさい。戻って来ても仕事はないよ」ってずっと言われてきたんです。で、都会に出た子どもたちは、例えば多摩ニ..."



農村出身の団塊の世代というのは、「ここでは食っていけないから、都会に出なさい。公務員か大企業に入りなさい。戻って来ても仕事はないよ」ってずっと言われてきたんです。で、都会に出た子どもたちは、例えば多摩ニュータウン辺りに住むんですよ。大阪でも、千里ニュータウンあたりです。今やオールドタウンって言われてますが、かつてはニュータウンと呼ばれたその場所には、35歳で35年ローンを組んだ、同じようなタイプの人たちがたくさん住んでいて、今その人たちが70歳くらいになってるんですね。



 この人たちの頭にある田舎はしがらみが多くて、あまり戻りたくないところなんです。そこからようやく抜け出して、隣近所と付き合いがない新しいニューライフを、核家族で送ることができたという感覚があるんです。



馬場 ニューライフ…(笑)。



山崎 でも、彼らの息子や娘たち、つまり、農村に住むお父さんたちの世代から言うと、孫たちはですね、お盆の時や正月だけ帰って、地域の近所のおじいちゃん、おばあちゃんたちも優しくしてくれたから、田舎のいいところばっかり見て育った人たちなんです。ニュータウン育ちの彼らは今、30歳から40歳くらいになっていて、まさに僕らがその世代ですよね。



馬場 そうですね。



山崎 僕らが「孫の力」で、おじいちゃんの地元を考えた時に、あんまり悪いイメージはないはずです。自分の父親たちは、そこはもう抜け出すべき対象だったんですけれども、僕らは、むしろ楽しい場所という印象を持っている。



 自分の父親たちが戻るということになれば、またしがらみの中にグーッと取りこまれるんですけれども、孫たちがIターン的に、おじいちゃん・おばあちゃんがいるところに引っ越してきて、一世代飛ばして何かを引き継いでいくっていうことになると、一応その系統の中に入れるんですね。



 おじいちゃんたち世代も、息子や娘に「お前ら、出ていけ」「こんなところに戻ってきたって何にもない」と息子や娘たちを出しちゃって、ちょっと今、寂しくなってきている時に孫が戻って来たら、集落みんなでその人たちを大事にしようっていう機運ができてるんですよ。







- 山崎亮×吉里裕也×馬場未織 これからの豊かな暮らし方について語ろう【後編】 『週末は田舎暮らし』刊行記念トークイベントより|週末は田舎暮らし ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記|ダイヤモンド・オンライン (via clione)

via Tumblr http://ift.tt/1g9YXDa April 10, 2014 at 02:18PM

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